観たいと思っていた『さよなら、アドルフ』(ケイト・ショートランド監督)。
「シネリーブル神戸でこの2月15日より公開」という情報のみインプットしていたのですが、梅田ガーデンシネマで既にこの18日から公開とか。レレレ・・・神戸公開まで待つより仕事帰りにでも梅ガデに行こうかなと目論み中です。
だから今日は再鑑賞作品で、というわけではなく、この作品は「好きな一作」でもあったのでBSでやっていたのを機にレヴューを挙げておきたいと思ったのでした。
『冒険者たち』( ロベール・アンリコ監督 1967年制作 フランス映画)、久々の再鑑賞です。
story
命知らずのパイロット・マヌー(アラン・ドロン)と、自動車技師ローラン(リノ・バンチュラ)は、ある日、美しい前衛彫刻家レティシア(ジョアンナ・シムカス)と出会う。厚い友情で結ばれていた男二人に女一人。この三人の間には、いつしか不思議な三角関係が生まれていく。そしてある日、三人はどん底の生活から這い上がるためにアフリカ沖に沈む財宝を積んだ船を探すという一獲千金の旅に出るが・・・。

※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。
「口笛」をフィーチャーしたフランソワ・ド・ルーベの映画音楽は心に残ります。聴けば一瞬にして、大空を舞うマヌーの飛行機とそれを見つめ続けるローランとレティシアの姿が甦ります。
青春のキラキラ感があって、でもどこか切ないメロディー。
この映画は何といってもレティシアが好いです。
後半、いなくなってしまった後も彼女の影が存在している・・・というより、いつまでも“生きてそこにいる”のですよね、レティシアが。
演じるジョアンナ・シムカスは、役柄のレティシアのイメージと相まって同性からみても永遠の女性像なのでしょう。シドニー・ポワチエとの結婚で女優業をきっぱり引退されたというのも、彼女への思慕を永遠のものにさせたのかもしれませんね。
前半部のフランスらしいノンシャランな?物事にこだわらない暢気なムードが好きです。
後半のハードボイルドタッチが加味された展開こそが本作の「LES AVENTURIERS」たる所以なのでしょうけれど、それ以前の、「凪」のようなふんわりした状況が私には好もしいです。
大人になり切れない、夢を追い続ける男二人とそこに寄り添うレティシア。
ロマンを追い続ける男二人ですが、繊細だけど奔放さだけが前面に出てるマヌーと、時に地に足をつけ堅実で父性をも感じさせるローランとはいつも立ち位置が微妙に違っていて、その違いが危うさを匂わせつつも二人の絆は最後まで(レティシアがどちらかの名を口にしたあとの最後でさえ)揺るがない・・・そこが嬉しいのです、女である私にも。
タイトル「冒険者たち」の意味も、前半部で感じるのは享楽主義的なもの。しかし最後の最後、終わってみれば「生きること即ち冒険なのだ」という、ストレートで邪なものなど混じり得ない純なメッセージに変わっていたのでした。
俯瞰で撮られた「あの要塞」。
ああ、レティシアが、そしてマヌーが、生きてそこに居たらなぁと思う切ない幕切れなのでした。

<れてぃしあ>という名のBARが神戸にあります。
数回お伺いした後、長らく(随分と長らく)お伺いできていません。ご店主、チーフのKちゃんさん、お二方ともお元気でいらっしゃるでしょうか。
レティシアではなく、この画は友人N嬢とワイン立呑み<千本 セ・ヴォン>にての乾杯です。やや軽めの赤とヘルシーなラタトゥイユが美味しゅうございました。
