先日BS録りしていた『リトル・ダンサー』(スティーブン・ダルドリー監督 2000年制作 2001年日本公開)を観ました。
良作との噂は聞いていましたがこんなにいい映画だったとは知りませんでした。 永久保存です、出会えてよかったです。
story
イギリスの炭坑町に住む少年ビリー(ジェイミー・ベル)は、偶然目にしたバレエ教室に惹かれ、女の子たちに混じって練習するうち夢中になっていく。めきめき上達する彼に自分の夢を重ね、熱心に指導するウィルキンソン先生(ジュリー・ウォルターズ)。しかし大事なお金をバレエに使うことを知った父(ゲイリー・ルイス)は激怒し、教室通いを禁じる。先生はビリーにロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けさせたい一心で無料の個人レッスンを行うが、オーディションの朝、炭鉱夫の兄トニー(ジェイミー・ドレイブン)がスト中に逮捕されてしまう。

※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。
※いきなり結末に触れる記述をしています。
ラストの落涙は、おそらく今後本作を観返す度に私の中で繰り返されることでしょう。
舞台に舞うビリーを見つめる父親と友人マイケルの表情。張り裂けんばかりの高揚感、感極まる思いの二人。
成長したビリーが晴れの大舞台へと向かいます。25歳になったビリーを演じるはロイヤルバレエ団の元プリンシパル、アダム・クーパー! アダム・クーパーの華麗な姿は勿論のこと、カメラが捉えた彼の一瞬の表情もまた実に素晴らしいのです。
このラスト数分にとにかく心が震えました。テレビでこうなのだから、もしも本作との出会いがスクリーンであったならその興奮は如何ばかりであったかと思う今です。
家族愛、友へのいたわり、無償の師弟愛、そして、好きなダンスを決して諦めない、好きなものを追い求め続ける気持ち、、、ひっくるめて、やっぱり「愛」。それがいっぱい詰まった映画でした。
冒頭シーン。認知症傾向の祖母への優しい接し方に、ビリーの全てが物語られていたと思います。のっけからこの子が好きになりました、私。

父親、兄のトニー、友人マイケル、おませなガールフレンド、そしてビリーの才能にいち早く気付き手を差し伸べたウィルキンソン先生。
それぞれに、心に残るシーンと台詞があります。
息子の未来のために信念に背を向けてまでお金を稼ごうとした父親の姿には強く心打たれますが、「(新しい地で)貴方の人生を生きなさい」というウィルキンソン先生の言葉にもまた、深く静かな感動を覚えました。
周囲の全ての人々の支えがあって今の自分があることを、舞台に向かう25歳のビリーは決して忘れていなかったはず。
その全ての愛に応えるが如く舞台に大きく舞う白鳥の姿は、これからも私の記憶に残り続けると思います。

少年のビリー役のジェイミー・ベルも好感度大でしたけれど、友人のマイケルを演じたスチュアート・ウェルズがとっても魅力的でした。
「この子、今はどんな役者さんに?」と思ってネットで調べてみましたが、どうやら本作の後に『仮面の真実』という映画に出演したのみで映画界からの消息は途絶えているようです。とても残念、何かご存知の方がいらしたら情報を戴ければ嬉しいです。
それから、スチュアート君が素敵だったからでしょうか、成長した25歳のマイケルを演じた俳優さんも私には素敵な男性として心に残りました。演じた俳優さんの情報も、もしお持ちの方がいらしたらお願い致します。

久々にお伺いした Jazz Bar Wishy−Washy さんでの乾杯の画です。
二、三度拙ブログにも登場しているダーク・ラム、<パンペロ・アニバサリオ>です。芳醇な味わいの中に微かに広がる上品な甘み。
この日ママさんとお話していて偶然にも本作『リトル・ダンサー』の話題になった時はびっくり。ママさんは勿論ずっと以前から本作をご存じでいらっしゃいましたが、互いに「イイ映画ですよね」としみじみと語らせてもらいました。

そうそう、お伺いした際ママさんにご紹介頂いた新刊、武部好伸さん著『ウィスキー アンド シネマ』(淡交社)を早速に買い求めました。
47篇の映画を、そこに登場するウイスキーに焦点をあてて語られているエッセイです。
今は百田尚樹さんの『モンスター』を購読中なのですが、『ウィスキー アンド シネマ』も並行して読んでいきたいと思います。ワクワクしています。
この本の中に登場する未見の映画を後追いしてゆくのも楽しいかもしれません。勿論、そこに登場するウイスキーと共に、ね。
取り急ぎ、一つだけ、
マイケルの25才は、ーメリン・オーウェンーて人です。あ、名前は知ってるがな、やったとしたらかんにん。それしかわかりましぇん。(トホホ)
ほな、またです。
ビイルネンさん、こんばんは。
こちらこそいつも本当にありがとうございます。
メリン・オーウェンという御名ですか!
とにかく先ずは名前を知りたかったのです!さすがはビイルネンさん、ありがとうございます!
しかし早速追ってみると、やはりこの御方も本作一作のみの情報しか得られませんでした。マイケルを演じたお二人、今いずこ、です(涙)。
けれど本作の中のマイケルのように、お二人とも自分らしい人生を歩んでおられると信じます!
ありがとうございました。(*^_^*)
月日のたつの早早っ!に今更ながらあぜんとしてます。ていうのは、この作品、劇場公開で観た後何年かしてBS録画録りでも観たとき、ぺろんぱさんつながりでTiM3さんとこコメントいかせていただいたのですが、今回確認したところ、2008年7月となっていました!
え、えぇっ!そんな前やったんかいな・・・。(しみじみ)
そのとき、自分のあほなコメントに対してほんま優しく返答してくださったTiM3さんにこの場を勝手に借りて改めてお礼申し上げます。
で、今回(3回目か4回目)に観た感想としてつくづく思うのは、観たとき観たときの自分の状況に影響された視点が現れるてことで・・・。
今回、自分の母親の状況のこともあり、ーおばあちゃんーが特に気になりました。
ー好きな映画を観なおすーということは、自分の今を確認することでもありますね。
ほな、またです。長なってごめんちゃい。
懐かしいこの映画、BSで放送していたのですね。
もうかなり前に観たと思うのですが、じんわりと感動の伝わる映画だったなと思い返します。
音楽も確か80’sの曲が使われてなかったでしょうか。
ひさびさレンタルで借りて観ようと思います。
ウィスキーアンドシネマの本も面白そうですね。
私は普段ウィスキーは飲まないのですが(飲めますが^^)確かに映画の中での名脇役で登場してますね!
大人の飲み物と映画観ながら憧れた覚えがあります^^
読んでみたい本です。
ビイルネンさん、こんばんは。
本当に月日の経つのは「早早っ!!」ですね。
加速度的に、いや、最近はもう垂直落下的に早過ぎます。
そうですか、、、08年にTiM3さんのところにコメを?
私も後ほどTiM3さんのその記事にお伺いしてよろしいでしょうか。
TiM3さんのレヴューを拝読したく存じます。
>母親の状況のこともあり、ーおばあちゃんーが特に気になり
私も同じです。
だから、(拙レヴューでも書きましたが)本作の冒頭シーンでいきなりビリー君の優しさしさに触れてこの子が大好きになったんだと思います。
映画でも小説でも、同じ作品を(気に入ったものは)何度か観返す私ですが(ビイルネンさんもご同様かと)、仰る通り“その時、その今、の自分の状況や心情”によって捉え方は変わってゆきますね。
観返す(読み返す)その回数分だけ、味わいが広がると考えると、歳を重ねるということはその分心が豊かになるという解釈もできそうですね。
そう思ってまた日々を重ねていこうと改めて思いました、今。(*^_^*)ありがとうございます。
長いコメも大歓迎です。
手紙にしたら「巻手紙」に匹敵するくらいのコメもいつか送ってくださ〜い。
公開時にご覧になっていらした方には「懐かしい…」という一作なのでしょうね〜。私も今回、皆様の仲間入りさせていただきたく思います。心動きました。
音楽についてはきちんとしたことが言えず、そうなばらばと今からまたちょっと観かえしてみようかと思っていますよ。(*^-^*)
さて、掲出の本ですが、とても楽しいです。この本で新たに観てみたいと思う映画もいろいろ。ウィスキーがお好きなお方なら勿論なのですが、そうでないお方にも是非とお薦めします。心豊かになる本です。
厳しい環境の中で、
自分らしくしか生きられない少年たちと、周辺の大人の事情。
説明的でない描写に感じるオトナの苦境と温かさが良かったです。
あ、ウィスキーアンドシネマ、絶対に記事にして下さいね〜〜☆
>オトナの苦境と温かさ
「オトナ」としての苦悩、監督さんの描き方がよかったです。他の炭鉱仲間との関係も。(*^_^*)
>少年たち
ビリーとマイケル、ビリーとおませなデビー??ちゃん、近所にいた幼い女の子、それぞれの交わりの中で育まれていったものが、とても大切なものとしてビリーの心の中に残ったでしょうね。
ウィスキーアンドシネマ、ワクワクして読み進んでいます。
未見の作品ですごく興味をひかれる映画も。そこに登場する美味しいウィスキーを飲みながら、その映画についていつか綴りたいです。(*^-^*)