2006年06月27日

ギルバート・グレイプ  どこまでも自由の空へ・・・


  6/22付ブログの「ギルバート・グレイプのジョニデが一番好きです!」の記述に「私も同感!」とのメールが幾つか・・・。
嬉しい気持ちに後押しされて久々にVHSで録り置きしていた『ギルバート・グレイプ』を鑑賞。


  ギルバート・パンフ.jpg
    日本初公開は'94年。
    ↑公開時に買ったパンフレットです。

監督は名匠!ラッセ・ハルストレム
原作・脚本はピーター・ヘッジス。


アイオワ州エンドーラ。この退屈な町から生まれてこの方24年間出たことがない青年ギルバート(ジョニー・デップ)は、脳に障害を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、夫亡きあと過食症を病む250kgの母親、2人の姉妹の面倒を見ている。彼は家族を守ることに精一杯で、自分の夢や希望を見失ってしまっている。
ある日彼の前にベッキー(ジュリエット・ルイス)という少女が現れる。旅の途中で車が故障し、しばらく町に留まるのだ。
風のように自由なベッキーに、ギルバートは魅かれていく。(映画コピーより)

 
 
 何度観ても泣けて、そして心温まります。
いえ、何度も観ているからこそ、ギルバートが自分の家族を紹介していく冒頭のほのぼのしたシーンにさえ涙してしまうのかもしれません。そのあと彼らの多に起こる様々な出来事を私が心の中に準備してしてしまうからでしょう。

彼等は傷つき、心痛み、たくさん苦しむけれど、そこには家族の絆があって、人を想う優しさや見守る愛があって、また顔を上げ、未来に向かって再生していく・・・・
それら一連のドラマがアイオワの大自然の中で、監督自多の優しい眼差しでもって綴られていきます。

青春の輝きを追うことを忘れ、心の底にある自由への渇望を押さえながらも、ベッキーとの出会いで束の間の夢をみようとする不器用で心優しい青年を、ジョニーは自然体で演じています。本当に「彼がギルバートでギルバートが彼で」という感じです。
だから、抑えていた感情が爆発してアーニーを殴ってしまうシーンも、そうせざるを得なかった彼の気持ちに呼応できる
変な言い方かもしれませんが、観ている者を“味方”にできてしまう役者さんです。

ジュリエット・ルイスの柔らかい微笑も魅力的です。ある意味、母性を感じます。
二人がエンドーラの町に沈む夕日を眺めながら話すシーン、とても良いです。
        Gilbert-07.jpg  


特筆すべきはディカプリオ
私は本作の公開で初めて彼を知りましたが、本当にハンディを持つ少年を映画のために起用したのかと思ったほどでした。
泥んこになって遊びに興じる天真爛漫さや、兄・ギルバートに殴られて絶望的に深い哀しみを湛える“一瞬”の表情など、それはもうリアルに演じています。
その後のディカプリオの映画での続躍を思うと、現在をもって役者として無冠のままである事がちょっと不憫に感じます。
  レオ.jpg レオ2.jpg

 どの映画でもいえることかもしれませんが、この映画も観るたびに新しい
家族を含めた観る者の状況も刻一刻と変化しているからでしょうか。
自分が長女・エイミーだったら・・・・次女・エレンだったら・・・・母親・ボニーだったら・・・・。そしてギルバートだったら・・・・・自分はどうしただろうか。あそこまで家族を守り続けられただろうか、そう問わざるを得ません。

いい映画は時代を超えても人の心に投げ掛けるものは普遍なのだな、と思いました。


 近日公開の『カザノヴァ』も同監督の作品ですが、過去には『サイダー・ハウス・ルール』『ショコラ』『シッピング・ニュース』などの名作があります。特に初期の『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』は、監督の優しい眼差しがいっぱい感じられる瑞々しい作品で、お勧めです。


 しかし、感情を揺さぶる映画は、お酒を飲みながら観ると相乗的に感情を高ぶらせてしまいますね。
ワインをコプコプ注ぎながらクピクピ飲んで、オイオイ泣いて、飲んで、泣いて、飲んで、泣いての夜でした。もうやだ〜(悲しい顔)


ギルバート、今までの分、何処までもいっぱい駆けて行って!
posted by ぺろんぱ at 13:02| Comment(5) | TrackBack(3) | 日記
この記事へのコメント
こんばんは♪

素敵な、こころが暖かいもので満たされていく大切な1本になりました。
最後、こころは二人と共に走り出していましたよ、わたしも♪
TBさせてくださいね〜。
Posted by kira at 2007年08月17日 00:02
kiraさん、コメントありがとうございます!

解き放たれた後のギルバートを追いたいと思いつつ、希望に満ちたままのギルバートでいいいんだと思う私もいます。

私も本当に深く心に残っている作品です。
貴ブログにもお邪魔して来ますね!
Posted by ぺろんぱ at 2007年08月17日 23:39
はじめまして、ブログ初心者のホーギーと言います。
この映画は、ジョニー・デップの素晴らしさとディカプリオの19歳にして見事な演技を披露した名作だと思います。
私にとって、彼らの出演した映画の中で、ベスト3には入る作品だと思います。
こういう映画最近ないですよね。ぜひ、多くの人に観てもらいたい映画ですよね。
ということで、また、遊びに来ます。
それから、トラックバックもお願いします。
Posted by ホーギー at 2008年03月09日 19:45
 ホーギーさん、初めまして。
コメントをありがとうございます。

これは本当に名作ですね、私はジョニデの出演作品の中では一番好きです。ディカプリオでは・・・そうですね・・・鑑賞作品を思い出しながら今夜じっくり考えてみますね(^_^)。

こちらからもお邪魔させて頂きます。
そして、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
Posted by ぺろんぱ at 2008年03月09日 20:40
私のブログにコメントどうもありがとうございました。
おっしゃるとおり、本当に名作だと思います。私もジョニー映画のベスト3に入ると思います。
多くの人に観てほしい映画ですよね。
それでは、これからもどうぞよろしくお願いします。
Posted by ホーギー at 2008年03月09日 21:18
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ギルバート・グレイプ
Excerpt: 原題 WHAT'S EATING GILBERT GRAPE 製作年度 1993年 監督 ラッセ・ハルストレム 出演 ジョニー・デップ/ジュリエット・ルイス/メアリー・スティーンバージェン/レオ..
Weblog: to Heart
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ギルバート・グレイプ
Excerpt: 【公   開】 1994年 【時   間】 117分 【製 作 国】 アメリカ 【監   督】 ラッセ・ハルストレム 【出   演】 ジョニー...
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【ギルバート・グレイプ】
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