2008年01月13日

アース earth


三連休・・・嬉しいのですが未だ風邪が完治しないのには閉口です。
すっきり軽やかに復活を遂げて、昨年末の紅白の米米・カールスモーキー石井風に「映画観てますかぁーっ!お酒飲んでますかぁーっ!!」って叫びたかったんですけどね。

すっきりしないままの昨日12日(土)でしたが、前売りを買って楽しみにしていた地球散歩に出かけてまいりました。
109シネマズHAT神戸での『アース earth』です。
びっくりしました。いつも余裕で空いてるこのシネコンですが、こんなに混んでるのは初めてでした。上映は<シアター5>でしたが、<5>での最後列<J列>が、やっと取れた私の座席でした。
解説
 大ヒットした『ディープ・ブルー』のスタッフが再集結し、地球上の生命の神秘に迫るドキュメンタリー。氷の地から熱帯の森、深海で営まれる動物たちの命のドラマを、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のフルオーケストラにのせて映し出す。製作5年、撮影日数のべ2000日、撮影地全世界200か所以上というスケールで、最新の撮影技術を駆使してとらえた映像は圧巻。
 50万年前、巨大な隕石が地球に衝突し、その衝撃により地球は23.5度も傾いてしまう。この傾斜は四季の移ろいや多様な地形を地球にもたらし、生命の誕生に重大な役割を果たすこととなった。北極を基点に地球縦断の壮大な旅に出た撮影隊は、ホッキョクグマ、象、ザトウクジラの親子に導かれ、さまざまな命の営みに出会う。(シネマトゥデイより)

                アース チケット.jpg

 今更ながら、この地球は人間だけのものじゃないのだと実感しました。いえ、人間なんてむしろ、このとてつもなく大きな地球という星の、ごく限られた環境のもとでだけ密集して生息している小さな生き物の一つに過ぎないのだと感じました。

地球は大きい・・・とてつもなく。
そして生命をもたらす‘太陽’と‘水’を得て、その誕生以来「自然の摂理」によって築き上げられてきたこの星の“ルール”に則り、実に多くの生物が生死を繰り返し、その歴史を作り上げてきたわけですね。
そこにはもの凄く過酷なサバイバルレースがあり、喰うか喰われるかの闘いがあり、自然の淘汰もあるのです。
人間だけが悩み苦しみ、厳しさを乗り越える努力をしているわけじゃない・・・そう思うのは人間の驕りでしかない。
人間はむしろ、そんな壮大な歴史の枝葉の中で、そして物理的には広大な面積のほんの一画で「住まわせてもらっている」だけなのだということに気付かされるのです。
                  アース.jpg
 
 どちらかといえば、地球という星の神秘性に焦点を当てた映画だと思っていました。こう・・・なんて言うか「哲学的な視点」で捉えるというような・・・。
けれど、「生命を育める星」としてこの地球上に生息するあらゆる生き物達の生き様を捉え、自然との共存や闘いの様子を容赦なく描き、それは「圧倒的な命の力」を私達に感じさせてくれる、いい意味で期待を裏切るものでした。
そして動物達の闘い、死や新しい命の誕生など、その全てを抱合して鎮座する地球という星の生態には神々しさをも感じました。・・・あっ、そういう意味ではやはり地球の神秘にも迫る映画だったといえるのかもしれませんね。


 思わず微笑んでしまう愛らしい動きの生物もいれば、その巨大さに圧倒され尽くす生物もいます。
また、自然の中で悠々とくらす様子もあれば正視に耐えない弱肉強食の掟の世界も描き出されています。

1秒間に約2000フレームの撮影ができるというスーパースローモーションカメラ、また、4秒間で起った事を約5分間の映像に解析することが可能という超ハイスピードカメラ等で撮影された動物間の狩りのシーンでは、動物達の筋肉の動きの美しささえも感じさせるほどの感動的シーンとなっています。
しかし、これらのシーンは、やはり理屈抜きでつらい。もの凄くつらいです。必死で逃げ走りながら最後の最後に岩の突起に足場を失い、失速して狼の牙にかかるトナカイの子どもの断末魔の短い叫び声は母トナカイを呼んだものだったのでしょうか・・・。砂漠上の2000キロにわたる旅で群れからはぐれてしまう一頭の若い像の、仲間を求めて彷徨い続ける姿にも、胸が詰まって涙がこみ上げます。

しかし多分、そんな人間の感傷も許されないほど、厳しく長い「種の保存の歴史」をくぐり抜けてきた彼等なのでしょうね。

                アース9.jpg

つらいといえば、温暖化の進む地球で、このままで行けば2030年には絶滅すると言われているホッキョクグマ。
昨年観た『不都合な真実』のなかでも語られていたことですが、飢えて死にゆくホッキョクグマの本物の映像によって、改めて我々人間の罪を感じます。
「地球を救う」「地球を守る」という文句が叫ばれていますが、破壊してきたのも我々人間なのだから「地球に償う」というのが本当なのかも知れません。

「主演:46億歳、地球。」
このキャッチコピーは見事ですね。
でもそれを語り継ぐ次世代というのは、本当にあるのでしょうか・・・。
とてもネガティブな考え方かもしれませんが、美しい地球で生き続けられる世代がそう長くはないのだとしたら、この映像を今観ておくのも悪くないと思いますよ。
               アース11.jpg

   
posted by ぺろんぱ at 12:35| Comment(14) | TrackBack(2) | 日記
この記事へのコメント
2枚目の画像で「なんばウォークのクジラ像」
3枚目の画像で「シュレック」
4枚目の画像で「アルマゲドン」

を何故か連想してしまいました(⌒〜⌒ι)

レビューを拝読してて、何となく「グーグルアース」で
遊びたくなってしまいました(=^_^=)
Posted by TiM3 at 2008年01月13日 22:48
TiM3さん、こんにちは。
TiM3さんならではのコメントに何故かホッと?したりもしています。

グーグルアース、楽しそうですね。
パイロット気分にもひたれるみたいで。(^_^)
Posted by ぺろんぱ at 2008年01月14日 12:04
風邪長びいて大変ですね。お大事になさって下さい。
ぺろんぱさん小食そうですが、この際不本意でも無理してがばちょ(古っ)と食べまくって栄養とりまくり風邪撃退てのはどうでしょうか?(自分はいつもその作戦ですーていうか、ふだんからがばちょ食いではあります)それと生姜は効きまっせ!これもこの際スープにすりおろしてなどと流暢なこと言わんと丸ごとカブリやって下さい!(自分はできます)(あんた誰やねん)

”地球”・・・ますます意識せなアカン、やばい状況ですよね。けどマイ・バッグはできていないうしろめたいスーパーでの自分。(やっぱゴミ捨てるのに袋はもらっておきたい・・)マイ・カーがないってことでチャラにしてもらおうとしている小心者。(トホホ)

以前、龍村仁監督の”地球交響曲”を観たいと思ったことがありましたが、機会逃してるうちにもう12年以上たってしまったことがわかり、愕然としてしまいました!(1992年の第一番のときはその存在を知らず、第二番の1995年に知って観たいと思ったらしいー干支一回りしてしまった・・)

ほんに月日のたつのは早っ!早すぎ。こないしてバッサバッサと年いって終わっていくんかーだからこそひっかかったこと大事にしていきます。映画も気になったもん古い順にフェイド・アウトするんでなくて遅ればせながらでも観る努力していきますわ。

ぺろんぱさんのおかげでよびおこすことができてよかったです!ありがとうございます!!

Posted by ビイルネン at 2008年01月14日 17:33
ビイルネンさん、こんばんは。
ご心配いただいてありがとうございます。がばちょと呑んではいるのですが・・・それだけじゃ駄目ですね(^_^;)。生姜の“痛快まるかじり(これも古っ!)”で治します!

エコは私もまだまだ劣等生だと思いますが、小さなことでも出来ることからやっていこうという意識が大事なのではないでしょうか。(と、こう書くことで免罪符を得ようとしている私こそ小心者です…(+_+))

>龍村仁監督の”地球交響曲”
私もこれは観ていません。<お題>に加えなければ。
こちらこそいつもビイルネンさんにはいろいろな情報や、ハッとしてグッと来る(トシちゃんファンだったわけじゃありません)お言葉をいただいていて感謝しております。
私も心に引っかかることを見過ごさないでいこうと思います。ありがとうございます。
Posted by ぺろんぱ at 2008年01月14日 18:50
先に謝りますが、本編の映画に触れずにごめんなさい!
ぺろんぱさん、米ファンですか!?
あ、違うのですか?!
ぺろんぱさんのブログで、
そういうくだりってあまり読んだ印象がなかったのでつい、興奮してしまいました。
冒頭での紅白の台詞で、
米ファンの私はもうびっくりですよ。
もしや!?まさかぺろんぱさんも米ファン!?

いや、興奮気味の私、
文章を膨らましすぎて読んでいる可能性は大いにあります・・(笑)
Posted by ぢもと at 2008年01月15日 23:48
ぢもとさん、ようこそです!

ごめんなさい、私は特別な米ファンではありません・・・。でもね、昨年のカールスモーキー氏の「○○○喰ってますかぁーっ!」の台詞に“エンタティナーとしての一流の才”を感じて、軽く鳥肌が立つほどにシビれてしまったのは確かです。
で、その台詞を同じように私も絶叫したくてつい・・・。でも、米ファンと思しきぢもとさんに(もしもこの記事にお越し頂いた時に)拙記事の冒頭の何行かの記述にシンパシーを感じて頂けたら嬉しいなぁという思いもちょっぴりあったのかも・・・(*^_^*)。

やっぱり昨年の米米、オーラがしっかり感じられました。ファンでもない私が僭越ですが、やっぱり凄いですよ、米米。


Posted by ぺろんぱ at 2008年01月16日 20:53
ぺんろんぱさん、映画にふれないままでごめんなさい、ですけど・・
ファンでない方に褒められるとめっぽう
嬉しくなります!
ありがとうございます!うひひ
Posted by ぢもと at 2008年01月16日 21:17
もう風邪は治りましたか?
 

家の周りで、すずめを見かけなくなった
ことに先日気付きました。これも心配です。
Posted by かかし at 2008年01月17日 08:16
ぢもとさん、ぢもとさんのようなファンを持つ米米は幸せですね。
私はぢもとさんに嬉しくなって貰えて幸せです。(*^_^*)

Posted by ぺろんぱ at 2008年01月17日 21:11
かかしさん、こんばんは。
ご心配ありがとうございます。
風邪は・・・喉の辺りに何か魔物のようなものが住み着いてしまったかのようです。
まぁ飽きたらそのうち何処かに行ってくれるでしょう。・・・、と思いたいですが。

>家の周りで、すずめを見かけなくなった

「そして(この地球上に)誰もいなくなった…」なんてことにはなって欲しくはないですね。
Posted by ぺろんぱ at 2008年01月17日 21:17
ぺろんぱさん、こんばんは♪
風邪、長引いてますね〜 早く良くなりますように・・・
お大事になさってくださいね。

私も地球散歩に出掛けてまいりました。
ドキュメンタリー映画って殆ど観たことがなかったのですが、
いやぁ〜 感動しました。大スクリーンで観て良かった!
こちらの劇場も珍しく満席でしたよ。
ぺろんぱさんの記事にも書かれている様に、
この映画を観たら、私達は地球のほんの一画で
「住まわせてもらっている」ということを再認識させられますね。
ベルリン・フィルの音楽とともに、大自然が奏でる音も素晴らしかったです。
Posted by Any at 2008年01月18日 21:05
Anyさん、こんにちは♪
ありがとうございます、風邪はもう多分ぶり返すことなく大丈夫だと思います(^_^)

この映画は本当にスクリーン鑑賞ならではのものですよね。音楽も良かったですし、Anyさんの仰る通り「自然が奏でる音」にも感動がありました。

後ほどお邪魔致しますね!きっとビジュアル的にも綺麗だろうなぁ〜と楽しみです。
Posted by ぺろんぱ at 2008年01月20日 11:17
ちょっと皆さんのコメントから遅れましたが....

この映画ってやっぱり大画面で観たほうが良さそうですね、特に「主演:46億歳、地球。」ですからね。

ただ大阪・梅田では今週金曜まで。
うーん、なんとか観る時間を作りたい。
Posted by west32 at 2008年01月22日 23:44
west32さん、こんばんは。
そうですね、ご覧になるならスクリーンの方がいいと思います!
けれど本当に観たい映画って重なったりして取捨選択が難しいですよね。
その時その時の出会い・・・ということでよいのではないでしょうか。(^_^)
それに、DVDになって字幕版をご覧になるというのも一興かと存じます。
Posted by ぺろんぱ at 2008年01月23日 21:22
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Excerpt: 原題:earth 「ディープ・ブルー」に「プラネットアース」、「ホワイト・プラネット」をも規模では完全に凌駕している・・北極から南極まで奇跡の星の自然と生き物たちの物語・・ 遠い遠..
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